2014年2月2日日曜日

文化人類学・民俗学って?

文化人類学・民俗学って?

人類が地球上のどのあたりに暮らしているか、世界地図や地球儀を想像して考えてみましょう。
日本をはじめとする温暖な気候の地域だけでなく、一年の大半を表土が氷に覆われている極北の地、赤道直下の島々、熱帯林、砂漠地帯…、地球上の陸地の実にあらゆるところに人は暮らしています。そして、それぞれ豊かな文化を育んできました。



言葉、服装、食べ物、住居、信仰の対象や祈りの仕方、どれをとっても、人類の生活ぶりは非常にバラエティに富んでいます。それが人間の多様性、個別性です。

その一方で、例えば男と女とを区別する、お年寄りを大切にする、病気や災難などの不幸の原因をどこかに求めるなど、多くの社会に通じる思考のあり方もみつけることができます。人間の一様性、普遍性といってもよいでしょう。

 文化人類学・民俗学は、各地の人びとの暮らし方や考え方を知ることから、人間の文化の多様性・個別性/一様性・普遍性について考え、人間とはどのような存在かを知ろうとします。

 そのための手段が、どこかに赴いて現地の人に交じって暮らし、顔の見える関係のなかで現地の人たちの視点からものを考えるというフィールドワーク(現地調査)です。文化人類学・民俗学のフィールドワークは、自分の生活する場所から近いところでも遠いところでもおこなわれますが、どこであっても、自分の常識をいったん括弧に入れ、まずは相手のお話に耳を傾け、異なる価値を受け入れようとする姿勢が必要とされます。

 文化学科には、これまで日本・東アジア・東南アジア・中東・アフリカの村落や都市で現地の暮らしに溶け込んでフィールドワークをおこない、自分の常識と闘いながら人間という存在について考えてきた教員が複数います。そして、個別具体的な経験・事例をもとに、人間の文化について学び考えることの楽しさを、学生のみなさんと共有しています。

 自分の身近なお祭りや風習のことをもっと知りたい、自分とは異なる存在に惹かれる、あなたはどちらのタイプでしょう。自他のどちらを探究するにも、文化人類学・民俗学はきっと役に立ちます。あなたも文化学科で文化人類学・民俗学を学んでみませんか。

スタッフ

  • 高岡弘幸(担当科目:比較文化論、異文化理解、現代メディア論など)
  • 中村 亮 (担当科目:文化人類学特講、社会人類学など)
  • 宮岡真央子(担当科目:文化人類学特講、社会人類学など)

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