2015年6月12日金曜日

ゼミ研修旅行でOPAM大分県立美術館を見学(植野健造先生)

「教員記事」をお届けします。本年度第四回は日本美術の植野健造先生です。


ゼミ研修旅行でOPAM大分県立美術館を見学
2014年5月30日(土)

 日本美術史、博物館学担当教員の植野です。2014年6月26日up記事以来の投稿ですが、前回同様ゼミ旅行の報告をさせていただきます。

 私のゼミでは、浦上雅司先生(西洋美術史)のゼミと合同で前期と後期に1回ずつ日帰りで、美術館や寺院や文化財などを見学する貸し切りバス見学研修旅行を行っています。先日5月30日(土)には教員2名、学生24名の総勢26名で大分市に行きました。

 朝8時30分に大学を出発し、午前中は大分県立美術館で「開館記念展 モダン百花繚乱『大分世界美術館』~大分が世界に出会う、世界が大分に驚く『傑作名品200選』」展を学芸員の方の説明を受けた後に鑑賞し、昼食は豊の国健康ランドで「とり天定食」をいただきました。午後は大分市美術館で「大分発アヴァンギャルド 芸術都市の水脈~田能村竹田からネオ・ダダまで~」展を、ここでも学芸員の方の説明を受けた後に鑑賞しました。

大分県立美術館にて 撮影:植野健造
 大分県立美術館は、活動成果やコレクションを旧・大分県立芸術会館から継承しつつ、ことし2015年4月24日に新たな姿で開館した美術館です。愛称はOPAM(オーパム、Oita Prefectural Art Museum の略)。建物の設計は、建築界のノーベル賞と言われる米プリツカー賞を受賞した坂茂(ばん・しげる)氏の建築設計事務所による。坂氏によると、「あまり美術館に行かない人たちをいかに引き寄せるか、そして美術を楽しんでもらい、日常的に人々が集まるそのような仕掛けを建築に与えた。1階は外からも中の様子がわかるようにガラス張りとし、無料で利用できる2層吹抜のアトリウムを設け、その中にミュージアムショップとカフェを設け、展覧会に興味がない人でも日常的に利用できるスペースとした。」とのことです。


 
 各地に県立美術館、市立美術館が競うように建設されたのは、1970年代から80年代のことでした。それから30~40年が経過し、多くの美術館が大規模な改築や立て替えの時期を迎えています。この間に、美術館をとりまく状況は大きく変化しました。一般的に各美術館とも財政的に厳しさが増す状況がある一方で、来館者数が行政評価のうえでよりもとめられる傾向にあると言えるでしょう。そうした状況の中で、各館の学芸員は質的に充実した展覧会を実現すべく工夫しながら奮闘しているようです。大分県立美術館も含め多くの改築、新築される美術館の動向を時代背景の推移と関連づけながら観察してゆきたいと考えています。

 記録として、2014年度後期の見学について書きとどめておきます。
2014年12月6日(土)
熊本市現代美術館「鉛筆のチカラ―木下晋・吉村芳生」展、島田美術館、熊本市・浄国寺、熊本市・来迎院、松本喜三郎作品を中心に見学。
※記事内の写真はすべて植野先生の撮影によるものです。

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