2017年5月22日月曜日

平成29年度 卒業論文題目届の提出について

「卒業論文」を登録している四年生は、卒業論文の題目届を以下の要領で提出して下さい。

1.題目届の入手、記入について

【入手方法】
・FUポータルのお知らせ「卒業論文・卒業研究 題目届の配布、提出について」の添付ファイルから題目届をダウンロードし、A4・横向きで印刷して下さい。

【入手期間】
・6月1日(木)9時~6月30日(金)16時30分

【記入要領】
・黒のペンまたはボールペンを使用すること。鉛筆書きは不可。
・指導教員の署名・捺印を必ず得ること。

2.題目届の提出について

【提出期間】
・6月15日(木)~6月30日(金)
※時間:平日は9時~16時30分。土曜日は正午まで。

【提出場所】
・人文学部事務室(文系センター低層棟1階)

各自、指導教員と十分に相談の上で題目を決め、上記の期間内に必ず題目届を提出して下さい。何か不明な点があれば、教務連絡委員の小笠原か本多先生まで。

2017年5月15日月曜日

「それって本当?」の心の科学(縄田健悟先生)

 平成29年度第3回目の「教員記事」をお届けします。4月に赴任された心理学の縄田健悟先生です。



「それって本当?」の心の科学
   
     縄田健悟(心理学

 4月より文化学科に新たに着任しました縄田健悟です。専門は社会心理学です。

 私はど真ん中の研究テーマは、集団間紛争とか集団暴力とかチームワークとかの集団研究なのですが、それとは別に心に関する俗説の研究に結構興味があって、色々と調べているんです。
 というわけで、今日は心理学担当として、心に関する俗説の話を少し行いたいと思います。

 人の心に関しては多くの言説が世の中に存在しています。心は誰もが持っていて、みな一家言あるわけで、誰もが心に関して好き放題、言いたい放題です。
 例えば、「手が冷たい人は心が温かい」とか「年をとるとお金に執着する」とか「耳たぶが大きい人は幸せになる」とか。

 さて、心理学にも色んな立場と専門性がありますが、多くの心理学者は実証主義の立場で研究を行っています。これは客観的な数量データを根拠として人間の心や行動を解明しようという立場です。心というのは曖昧で捉えようが無いものだからこそ、数量化してできるだけ客観的に理解しようとしているわけです。

 心理学の実証主義の目からすると、上で挙げた俗説は「実際のところどうなっているの?」「統計的な傾向が本当にある?」というのが気になってきます。
 心に関する多くの俗説は、ちゃんとデータを取って検証してみればいいんです。
 とってもシンプル。

 既に分かっている心の俗説の真偽を、いくつか紹介しましょう。

 私も実際に論文を書いた俗説としては、 “血液型性格判断”です。血液型と性格に関して、日本には広く関連性が信じられています。A型はXXな性格だ~、B型の人はXXしがちだ~といったものです。
 果たして本当でしょうか?

 心理学の実証的な論拠という視点からすると、血液型と性格は全く関連がありません。
 心理学者は繰り返し統計的に検証してきましたが、日本人でも外国人でも血液型間の一貫した性格や心理の違いは見つかっていません。
 例えば、私の論文では、日本とアメリカの約1万人のアンケートデータを分析しました。1万人もデータがあれば血液型間のわずかな差でも検出できるのですが、分析結果では68項目中65項目で差が見られず、残り3項目も統計的な誤差の範囲でした。そして、血液型で説明できる違いは0.3%以下という結果でした。これならもう違いはゼロだと言って良さそうです。

 ちなみに、星座と性格も関係ありません。イギリスとかだと星座と性格の関連は、かなり広く信じられているみたいですけどね。

 あ、ただし、生まれ月が人間に影響することはあったりします。
 といっても、これは星占いの話ではなくて、相対年齢といって、同学年内の成長差の話です。日本だと4月生まれと3月生まれで丸1歳近く成長が異なります。
 早生まれの1-3月生まれの人は、同世代よりも心身の成長が少し遅いために、スポーツでの活躍が少なく、学業成績も良くないことが多いようです。ただし、性格面の違いは研究ごとにまちまちで、まだよく分かっていません。

 もっと迷信めいたものとしては、満月の夜は出産や異常行動や犯罪が増えるとか聞いたことないですか?ところが、月の満ち欠けと人間行動や事件との間に、一貫した統計的な関連性は見つかっていないとのこと。

 もう少し社会心理学に関連した俗説も紹介しましょう。「テレビやゲームが人を暴力的にする」という俗説があります。その反対に「テレビやゲームで暴力性を発散するから、むしろ暴力の抑止になるのだ(カタルシス効果)」という説も言われます。
 真反対の予測ですが、どちらが正しいのでしょうか?

 実証研究によると、暴力的な映像視聴やゲームプレイは攻撃性を高めます。実験研究でも長期縦断調査研究でも、暴力的なゲームと攻撃性の上昇の関連は見られています。だから、前者の方が正しく、暴力性の発散を主張するカタルシス効果は間違いだということになります。

 ただし、注意すべき点として、メディアが暴力性を高めるのは、内容が暴力的な内容の場合に限られます。たとえば、ボクシングなどの格闘技番組の視聴や、銃でバンバンと相手を殺しながら進むFPSゲームが暴力内容を含むゲームが典型です。こうした内容のメディアへの接触は確かに人を暴力的にします。
 逆に、攻撃要素の無いゲーム、たとえば「おいでよどうぶつの森」や「テトリス」などでは暴力性が高まるわけではないでしょう。「テレビやゲーム=悪」という単純な悪玉論で片付けられるものではないのです。

 とまあツラツラと紹介しましたが、こんな感じで、実証主義の目からは、世の中の心の俗説は、ちゃんと検証して白黒つけるべきだと考えているわけです。

 さらに、上の話を聞くと、そこから色々と疑問が浮かんできませんか?
 じゃあ、星座や血液型ではなく風水とか筆跡なら人間心理と関連しているの?とか、インターネット利用やスマホ利用は攻撃性と関連するの?とか。もしくは、私が最初に俗説の例で挙げた「手が冷たい人は心が温かい」とか。 

 さあ、どうなっているんでしょうね。
 データ収集して検証してみないと。
 まあ、これまでの類似研究ではこうだったとか、理論的にこうなりそうだとかの予測はできますし、当然研究するなら先行研究調べから入ります。
 海外の論文まで当たってみれば既にドンピシャで検証済みの可能性もあります。

 というわけで、自分なりの仮説で調べてみたい人は卒論やゼミ研究でやりましょう。
 私のゼミや卒論指導でお待ちしています。

参考文献
【書籍】

【論文】

2017年5月9日火曜日

LC哲学カフェ開催:友情をめぐるビブリオバトル

連休明け初日の5月8日月曜日の夕方、今年度第一回目のLC哲学カフェが開催されました。

今回は新入生歓迎の特別企画として、「友情」をテーマにしたビブリオバトルを開催。参加者は学生諸氏や教員、卒業生などを合わせて十数名。残念ながら、新入生の参加者はゼロ……。とはいえ、それはそれで一興。

各発表者に与えられた時間は五分。制限時間をフルに使って、自分の選んだ作品を口頭で紹介。その後、数分の質疑応答。発表者は学生さんが四名、卒業生が一名。最後に「エキシビジョン」として、教員が一名。

今回紹介された作品は、発表の順に下記の通りです。

 1.「ニュー・シネマ・パラダイス」(映画)
 2.浅野いにお『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』(マンガ)
 3.「グッドモーニング、ベトナム」(映画)
 4.デボラ・インストール『ロボット・イン・ザ・ガーデン』(小説)
 5.村上春樹『羊をめぐる冒険』(小説)
 6.「ジーザス・クライスト=スーパースター」(映画)(投票対象外)


少年トトと映写技師アルフレード、「かどで」と「おんたん」、アメリカのクロンナウア上等兵とサイゴンの少年「ツアン」、中年男性のベンとロボットの「タング」、「ぼく」と「ねずみ」、イエスとイスカリオテのユダ――。

様々な「友情」の在り方とそれぞれの作品の魅力を伝えるべく、各発表者が奮闘。時間が足りずにプレゼンが途中で終わってしまう場合もあれば、逆に時間が余ってしまい、慌てて話題を探すケースも。

すべての発表が終了した後で、どの作品が一番観たくなったか/読みたくなったか、という基準で参加者全員が投票。開票の結果、『ロボット・イン・ザ・ガーデン』が今回の「チャンプ作品」と決まりました。

その後、残り時間で「友情」に関する議論を、少しだけ。相手の存在を望むことが愛で、その中に友情も含まれる? 利害関係が絡むと友情ではない? 皆、友人関係を「学校モデル」で考えすぎている……?

「私たち、友人だよね?」と友情を確認することの是非が問われ、「社会人になって友だちの作り方を忘れた」などの発言も飛び出す中、六時を告げるチャイムと共に終了。


というわけで、今年度の哲学カフェも無事(?)スタート。次回は6月12日、やはり月曜日の夕方に開催される予定。去年ドラマ化されて話題になった、あのマンガを題材に……?

次回の詳細については、またこのブログ上で告知します。祝日のない六月中旬、軽い哲学談義と珈琲で、ぜひ気分転換を。